ご相談・専門外来

ご相談と専門外来について

うつ病の相談

うつ病の症状は、心だけではなく体にもあらわれます。ひどく落ち込む、何事にも興味を持てなくなる、集中できなくなる、といった「心の症状」。睡眠や食欲の異常、頭痛や胃痛、疲れやすいなどの「体の症状」。これらの症状が毎日続き、日常生活に支障を来すようになります。また、うつ病は自覚しにくいし、まわりが見ていてもわかりにくい病気です。
「最近、眠れない」「食欲がなくて短期間で体重が減った」「体調が悪いけど検査で異常がないといわれた」などのことがあれば、うつ病の可能性もあります。うつ病を疑ったら早めに相談することをお勧めします。

ものわすれ・高齢者の相談【ものわすれ外来】

認知症かなと心配になったら、早めに専門の医師の診察を受けることが大切です。認知症のタイプによっては、薬により進行を遅らせることも可能です。認知症ではない別の病気である可能性もあります。また、認知症でみられる行動障害と心理症状は薬物治療や環境調整、ご家族の対応の仕方などによって改善する可能性があります。必要に応じて、より専門の医療機関への紹介やかかりつけ医への紹介、ご家族への情報提供や助言も行います。
当院は北九州市の【ものわすれ外来】の協力医療機関です。お気軽にご相談ください。

さるびあの会

当院に通院または入院中、デイケア利用中の認知症の方の介護者おもにご家族の方を対象に認知症ささえあい交流会さるびあの会を開催しております。

不安障害のご相談

パニック障害

急に強い不安とともに動悸や吐き気、めまい、息苦しさ等の様々な自律神経症状が出現します。

社交不安障害

人前や人ごみの中に出ると不安になり、手の震えや吐き気、動悸などの自律神経症状が出現します。

全般性不安障害

様々な悪いことが自分の周りに起こるのでないか、どこか体が悪いのではないかと常に不安になります。

強迫性障害

無意味だと自分でも判っていながらも、不安を解消するために何度も確認したり、何度も不安を打ち消すための行動をしたりします。

これらの障害はいずれも重度になると、日常生活や仕事、家事、学業に大きな支障をきたしますが、治療によって改善する病気でもあります。また、軽症であっても治療したほうが楽に生活できるようになります。まずは、お気軽にご相談ください。

統合失調症の相談

統合失調症は脳の機能障害で、100人に1人が発症するといわれています。症状としては実在しない声や音が聴こえる(幻聴)や事実とは異なることを確信する(妄想)、混乱して考えがまとまらない、激しく興奮する等の「陽性症状」、やる気がでない、集中力がない、何事にも関心がなくなる、感情が鈍麻する等の「陰性症状」があります。早期に専門医の適切な治療を受ければ、多くの患者さまは社会生活に復帰することができます。
まずは、お気軽にご相談ください。

治療抵抗性統合失調症とクロザリルについてのご相談

これまでに、きちんと薬を飲んでいても幻覚などの苦しい精神症状などに悩まされている患者さんやご家族の方へ、それは治療抵抗性統合失調症かもしれません。クロザリルは治療抵抗性統合失調症の唯一の薬と言われています。当院はクロザリル治療が可能な登録医療機関です。お気軽にご相談下さい。
詳しくは新門司病院クロザリル委員会をクリックして下さい。

パーキンソンの相談【パーキンソン病専門外来】

パーキンソン病は、「震え」「動作緩慢」「歩行困難」「転倒」などの運動障害や、「意欲低下」「うつ」「睡眠障害」などの非運動症状が現れる、神経変性症状疾患です。以前は難病といわれていましたが、今日では様々な治療薬が開発され、多くの治療効果をもたらしています。当院では、運動症状のみならず、精神症状を含む非運動症状の改善も力をいれて総合的に診療を行います。

アルコールの相談【アルコール専門外来】

アルコール依存症になると飲酒のコントロールを失い、健康が損なわれるだけではなく、飲酒に関連した様々な問題に家族や職場も巻き込まれ、事態は時間とともに深刻になっていきます。アルコール依存症が完治することはありませんが、断酒を継続することで依存症から回復することはできます。しかし、自分ひとりの力や家族のみの努力で依存症から回復することは困難です。当院では外来治療と入院によるアルコールリハビリテーションプログラムを行っております。また、自助グループへの参加は回復への大きな支えになります。院内断酒会(北九州断酒友の会 新門司病院支部)と連携し、回復への支援を行います。
アルコール依存症の治療目標は原則として断酒の達成とその継続ですが、軽症のアルコール依存症には飲酒量低減治療も有効です。また、断酒を目標とすべき重症の方も断酒に抵抗がある場合、まずは飲酒量低減を中間目標とした外来治療から始めることもできます。当院では飲酒日記とワークブック(肥前精神医療センター編)、治療薬(ナルメフェン)を使用した飲酒量低減治療を行っております。アルコール依存症は進行性の病気です。早めにご相談ください。

アルコール依存症治療プログラムについて

アルコール依存症の治療は、入院での治療をお勧めしております。入院治療は社会の中で断酒を続けていくための準備期間として位置付けられます。入院中にアルコール依存症という病気に対しての認識を深め、断酒継続を目指していただきます。
当院では原則として開放処遇での任意入院という形をとっています。集団生活を行う上で病棟では規律を守り、各自が責任ある行動を心がけてください。また、入院中は特段の事情がない限り、プログラムには必ず参加していただきます。

入院治療のながれ

ARP週間予定表

プログラムの概要

  • 断酒勉強会:
    アルコール依存症やそれに関連する病気、アルコールにまつわる様々な問題に対する正しい知識を学んでいきます。
  • GTMACK(じーてぃーまっく):認知行動療法を用いて久里浜医療センターで作られた集団治療プログラムです。
    専用ワークブックを使い、これまでの飲酒について振り返り、アルコールのない人生を送っていくために役立つ知識や方法を皆さんで考えていきます。
  • こころの健康講座:
    様々なプログラムに参加しながら、色々な角度から自分自身を見つめ、自分の状態に気づき、対処する方法を磨きます。退院後のより良い生活に向けて、他患者さんやスタッフと意見を交わしながら考えていきます。
  • 院内断酒会(北九州断酒友の会 新門司病院支部):
    同じ悩みを持つ仲間で集う自助グループの一つです。断酒生活を続けている人たちの体験発表などを通じて、自分なりの具体的な断酒継続の方法を見つけ出しましょう。(感染症流行期 はオンラインで開催)
  • 自助グループ交流会:
    地域で断酒を継続されている自助グループのメンバーや回復施設の当事者スタッフ(当院OB、断酒会新門司病院支部、各AA、北九州MAC)からのアドバイスや活動の紹介を行います。(感染症流行期はオンラインで開催)
  • 作業療法:
    体操、スポーツ、創作活動など行い、運動機能の回復を目指します。また、作業を通じて忍耐力や協調性を養い、自分自身への問いかけを行います。
  • 歩こう会:
    体力増強と患者さん同士の親睦を深めることを目的とし、院外を5㎞程度ウォーキングします。弁当持参で長距離を歩く「行軍」も不定期に行っています。
  • 料理教室:
    食の面からアルコール依存症を考えます。肝臓に良い食事とは?管理栄養士によるミーティングと作業療法士による実習の二部構成になっています。

配付物およびテキスト

以下のARPテキストを入院時、または入院後にお渡しします。この「回復への扉」でプログラムの確認や治療ノートの記入を行い、各テキストはプログラム使用します。

  • 『断酒勉強会』・『回復への扉』・月間予定表
  • 『アルコール依存症の集団治療プログラム(GTMACK)』

推奨書籍

依存症は回復する病気……けれど回復って何なのか?
酒のない人生ってどんなもの?
病気を理解し取り組むための<回復ノート>シリーズ第1弾。
回復初期の生活に焦点を当て、不安や病気とのつきあい方を学ぶ。
わかりやすいたとえ話、回復者たちの声、ほのぼのとしたイラストが満載。
必要な知識を学び、自分に向き合うための質問に答え、しらふの生活プランを立てていくワークブック。
教育プログラムやグループワークのテキストとしてもお勧め。

依存症からの回復をガイドする<「酒のない人生」をはじめる方法>の続編。
酒は止まっているけれど、これからどうする?
家族や子どもとの関係は?
さまざまな世代の回復者の体験がぎっしり。
酒をやめて生きている人はこんなにたくさんいる!
自分の回復を振り返りながら、実感していく回復中期のガイド。

ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)編
アスク・ヒューマン・ケア 発行
本体(各)1,000円+税

抗酒剤について

  • 抗酒剤はアルコール依存症の再発予防の一環として補助的に使用する薬です。
  • アルコール依存症の治療の基本は、断酒を継続することです。
  • 抗酒剤は、「断酒継続の三本柱」の一つとされています。
  • 「断酒継続の三本柱」は抗酒剤のほかに通院治療と自助グループへの参加です。
  1. 種類
    当院にある抗酒剤は、ノックビンとシアナマイドの2種類です。ノックビンは粉薬、シアナマイドは無色透明の水薬です。ノックビンはシアナマイドより効果が遅く現れますが、効果が長く続きます。
  2. 作用と服用意義
    抗酒剤を服用すると、肝臓の分解機能が一時的に低下し、お酒に弱い体質を作り出します。そのため抗酒剤を服用した後にお酒を飲むと、顔が赤くなったり、吐き気や頭痛を引き起こすなどの、つらい思いをします。その症状は人によって差はありますが、ひどい場合には呼吸ができなくなることもあります。
  3. 抗酒剤を服用するときの注意点
    抗酒薬を服用後にアルコールを含む食品・飲料・化粧品・洗口液などを使用すると、お酒を飲んだときと同じ作用が起きる可能性があるので、注意する必要があります。具体的には、ブランデー入りケーキや洋菓子、ウィスキーボンボンなどのお酒の入ったチョコレート、酒かすで作られた漬物類、栄養ドリンクなどが挙げられます。例えば、栄養ドリンク一本に含まれるアルコール量(20ml)を瓶ビールに換算すると31.6mlとなり、これはビールを約一口飲んだ量に相当します。

退院後について

退院後は、学んだことや計画したことを実践し、断酒を継続して社会復帰することが目標です。
定期的に外来通院し、心と体の健康維持に努めましょう。また、自助グループへ欠かさず参加し、断酒の動機づけを維持してください。
お一人で悩むことのないよう、お気軽にスタッフへご相談ください。ご家族からのご相談もお待ちしております。
※予後調査のため、看護師よりご自宅へお電話させていただくことがあります。

お知らせ

週例会毎週木曜日13:30〜15:00
月例会毎月第1日曜日13:30~15:00

場所:新門司病院内 作業療法棟2F
*オンラインミーティングの場合は13:45~15:00になります。

ご相談と専門外来についてよくあるQ&A

アルコール依存症治療の入院期間はどれくらいでしょうか?
アルコール依存症治療プログラムを目的とした入院期間は原則として3ヶ月です。プログラムについての詳しい内容はリンクをご参照ください。事情によっては3ヶ月よりも短い期間の入院治療も考慮します。主治医とご相談ください。
アルコール治療のため入院してもらいたいのですが、本人が飲み続けており受診を拒否しています。こういった場合、強制的な入院をお願いできるのでしょうか?
原則として、ご本人の同意がなければ入院することは出来ません。しかし、幻覚などの症状のため、そのままにしておくと非常に危険な状況ということもありえますので、ますはご相談ください。
パーキンソン病の治療について教えてください。
パーキンソン病の治療で最も重要なことは、正確な診断と初期治療と言われています。多くの場合、初期は抗パーキンソン病薬の使用により改善が見られます。しかし長期的にみると、初期にどのお薬をどのくらい使ったかはかなり重要になりますので、まずは、ご相談ください。
早寝早起きは健康によいのでしょうか?
必要な睡眠時間は個人差があります。睡眠時間が4時間でもよい人や逆に9時間寝ても足りない人もいます。 また、同じ人でも加齢により睡眠時間が短くなり、疲れた日は長く寝ます。 昼間に居眠りや強い眠気がなければ睡眠時間は足りていると考えられます。無理に長く眠ろうとして早く床に入ったり、遅くまで床に入っている人がいます。そうする事で寝つきが悪くなったり、睡眠の質が悪くなり朝起きた時に寝た感じが得られなくなります。
認知症を疑う症状にはどんな症状がありますか?
認知症の原因の多くは、アルツハイマー型認知症と血管性認知症です。アルツハイマー型認知症の主な症状はもの忘れです。病気の初期には、昔のことはよく覚えていますが最近のことが思い出せません。特に、最近の出来事を思い出すことが難しくなります。その為、置き忘れや約束を忘れることが増え同じ事を何度も聞く・言う事も多くなります。血管性認知症は、脳梗塞や脳出血の後におこります。 血管性認知症の特徴は、運動機能の障害(手足のふるえや麻痺、食事中のむせ、言葉の不明瞭など)を合併することが多くみられます。記憶の障害は比較的軽く、物事を考える・行動することに時間を要します。怒りっぽくなったり、涙もろくなるなど感情の動きが不安定になります。無関心や意欲の低下も多くみられます。
老化によるもの忘れと認知症によるもの忘れの違いは?
老化によるもの忘れは、体験の一部を思い出せないことがありますが、ヒントを与えると思い出すことができます。認知症によるもの忘れは、体験の全てを思い出せなくなります。食事をした事を例にしますと、老化によるもの忘れは、ご飯を食べた事はおぼえていますが何を食べたか思い出せないことがあります。しかし、食材や食事をした場所などのヒントを与えると思い出すことができます。認知症のもの忘れは、食べた事すべてを忘れています。食べた事を説明しても思い出せず、時には「食べてない」と怒り出すこともあります。
認知症と間違われやすい病気は?
認知症と間違われやすい病気には、うつ病やせん妄などがあります。うつ病になると、気分が憂うつになり気力がおこらず今までスムーズに出来ていた身の回りの事が出来なくなります。特に高齢者のうつ病は、不安やイライラが強く落ち着いて行動が出来なくなり、思考力や集中力も衰えて失敗やもの忘れが多くなるなど認知症に間違われる事が多くあります。せん妄は軽度の意識障害に幻覚や興奮、不安・恐怖などの精神症状を伴った状態です。体の病気(発熱、脱水、痛み)や飲んでいる薬、心理的ストレス(不安状態、不眠)などが誘因となります。